
【boccs cinema】『おクジラさま ふたつの正義の物語』作品紹介
岩井駅前交流拠点boccsでは、夏休み海の映画特集SDGs映画上映会を開催しています。
7・8月の海の映画特集の1本は『おクジラさま ふたつの正義の物語』です。

『おクジラさま ふたつの正義の物語』は、代表作『ハーブ&ドロシー』で注目された、NY在住女性監督佐々木芽生(めぐみ)監督が、6年の制作期間をかけて、半世紀以上続く「捕鯨論争」に新たな光を当てた作品です。
紀伊半島南端に近い、和歌山県太地町。追い込み漁を糾弾した映画『ザ・コーヴ』がアカデミー賞を受賞して以来、この小さな漁師町は世界的論争に巻き込まれた。「くじらの町」として400年の歴史を持つ「誇り」は、シーシェパードを中心とした世界中の活動家たちから集中非難の的となる。ヒートアップする対立が沸点に達しようという2010年秋、佐々木は太地町を訪れる・・・。
『おクジラさま ふたつの正義の物語』公式サイト http://okujirasama.com/
そこでは、マスメディアが報じてきた二項対立 -捕鯨を守りたい日本人とそれを許さない外国人 - という単純な図式ではなく、カメラは賛否に縛られない多種多様な意見を捉えていく。 歴史・宗教・イデオロギー、自分と相容れない他者との共存は果たして可能なのか?
今まさに、世界が直面している「ダイバーシティの危機」を克服するヒントがこの映画にはある。嫌いなヒトをスッキリ排除しますか?それとも、一緒に生きていきますか?
あらすじにもあるように、一見、動物愛護活動家であるシー・シェパードと、捕鯨の歴史と文化、そして食べていくための捕鯨を守り続ける太地町の漁師との対立を描いています。単純な二項対立ではないそのやりとりを見ることで、自分の意見はどうだろう?と自身の考えを振り返るきっかけになります。今回のオンライン上映会終了後の対話タイムでは、いろんな立場や目線での意見や感想が飛び交うとても意義深いものなりました。
私個人が特に印象に残ったのは、日本人は捕鯨は文化であり守るべき、という意見を持つ方々にアンケートを取ると大多数の人が賛成するにも関わらず、ではあなたはクジラを食べますか?という質問になると、NOという回答が多数になってしまうということでした。みんな自分では食べない、消費しないけれど、文化としては守りたい、という複雑!?な感情を持っているということ。
映画を通じて、自分のこれまで考えや思い込みを振り返るきっかけになる面白い作品でした♪
ぜひこの機会に映画『おクジラさま ふたつの正義の物語』をご覧ください。
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