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クジラ!くじら!鯨!! 「探究ワークショップレポート」 vol.2

千葉県南房総市にある「探究塾 boccs」は、子ども一人ひとりの好きなこと・やりたいことを実現するための学びを提供するアウトプット型の学習塾です。今回は夏休みイベントとして開催された、SDGsをテーマにした特別授業“夏休み自由研究!「くじら」探究ワークショップ”に、大人代表として南房総市在住ライターのササキが体験取材をしてきました!(vol.2)

vol.1に引き続き、サステナビリティコンサルタントの東千恵子さんによるワークショップ「くじらと気候変動と私たち」の模様をお伝えします。

 

クジラは世界最大の生きもの

化石燃料の使いすぎで地球の二酸化炭素が増え、気候が変わってきているという話に神妙な顔でうなずく子どもたち。そこで東さんが一言いいました。「それで、これがクジラとどう関係あるのって思うでしょう」。

張り詰めた空気がいっきに和んだのは言うまでもありません。東さんは緩急を使い分ける天才なのでしょう。これまでフル回転していた脳に、「ウシ・カバ・ラクダの中でクジラに近いのはどれだ?」「クジラとイルカの違いは?」といった、可愛い問題が飛び交います。

ちなみに、クジラに近いのはカバで、クジラとイルカの違いは歯が生えているかどうかだそうです。ササキはまったく何も知りませんでした。さらにこれまで地球に存在した中で一番大きな生物こそクジラ(シロナガスクジラ全長30m)であり、その心臓は小型車ほどの大きさがあるという話には心の中でクジラに拍手喝采です。

クジラのうんちが地球を救う?!

そんなシロナガスクジラだけではなく、海にはさまざまな種類のクジラがたくさんいます。それらのクジラたちが広大な海を右に左に泳ぎまわったり、深海から海の表面まで上下に動いたりしてくれることで、海をかき混ぜてくれる効果があるというのです。

まるで巨大なスプーンのよう。そしてクジラによってかきまぜられた海には多くの酸素が取り込まれます。これによって海中の植物が繁殖し、放出された二酸化炭素を吸収してくれるというのです。何ともダイナミックなお話!

また「POO-NAMI(プーナミ)」と呼ばれるクジラの大量のうんちも、二酸化炭素の削減に役立ってくれているというのです。プーナミには鉄と窒素がたくさん含まれていて、それが植物プランクトンの栄養となり、二酸化炭素を吸収してくれるのです。

さらに極めつけは、クジラの体そのものにも大量の二酸化炭素を留める働きがあり、存在しているだけで地球の役に立っているというお話。ここまでくると、クジラが超巨大な空気清浄機のように思えてきます。

クジラから考える私たちの未来

気がつけば、自然に地球環境とクジラのお話がつながっていました。クジラは生きているだけでいいことをしてくれていたのです。しかし捕鯨などでクジラを殺してしまったぶん、これまでは海やクジラの体内に留められていた二酸化炭素が、7000万トンも放出されてしまっている現実があります。

最後に東さんは「クジラだけではなく、生きものと私たちのつながりを考えなおす時期にきているのではないでしょうか。今回のお話を通して、自分たちがこれからどんな世界に住みたいか考えてみてください」とみんなに伝えてくれました。

クジラを捕ることが良いのか、悪いのかという話ではなく、そもそも私たちがどういう世界に生きているのかを正しく知ることが大切なのでしょう。

東さんのお話を聞き終え、子どもたちにはそれぞれ感想を発表してもらいました。

今回のお話を通して、図鑑や水族館で見るものというイメージが強いクジラが、グッと身近な存在になったのではないでしょうか。ササキとしても、自分が暮らす地球とクジラが暮らす地球は同じものであり、すべてつながっているのだと再認識する機会になりました。 みんなが心地よく生きられる未来について、もっと積極的に考えていこうと思えるクジラワークショップでした。

vol.3へ続きます。

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